表千家のお稽古をはじめるとき、最初に自分で揃えるのは片手で持てるくらいの小さな道具だけです。お茶碗や棗(なつめ)など大きな道具は、教室のものを使うのが一般的です。
揃えるものの顔ぶれは、どの流派でもよく似ています。ただ、流派によって変わるところがいくつかあり、そこを間違えると買い直しになります。この記事は、裏千家の道具一式と同じものは繰り返さず、表千家で違うところにしぼってまとめます。全体の一覧は裏千家で最初に揃える道具一式を、あわせてご覧ください。
まず、揃えるものの顔ぶれ
表千家でも、最初に用意するのは次のあたりです。
- 帛紗(ふくさ)
- 出帛紗(だしぶくさ)※使う場面は先生に確認
- 扇子
- 懐紙(かいし)
- 菓子切り
- 帛紗ばさみ、または数寄屋袋(すきやぶくろ)
顔ぶれは裏千家とほぼ同じです。違いは、それぞれの中身にあります。
違い その1|帛紗の色
いちばん間違えやすいのが帛紗の色です。
| 女性 | 男性 | |
|---|---|---|
| 表千家 | 朱(しゅ) | 紫 |
| 裏千家 | 赤 | 紫 |
女性の帛紗が、表千家は朱、裏千家は赤です。同じ「赤っぽい色」でも別の色として扱われます。お店では「表千家用」「裏千家用」と書いて売られていることが多いので、流派名を目印に選ぶと間違えにくくなります。
お点前で使う帛紗は無地が基本、という点はどの流派も共通です。帛紗の色とサイズそのものは帛紗(ふくさ)の色とサイズにまとめました。
色の決まりは一般的な目安です。教室によっては先生が色や種類を指定することもあります。買う前に必ず「自分で用意しますか、色は何がよいですか」と確認してください。細かいところは流派というより、その教室のならわしで決まる部分があります。
違い その2|古帛紗ではなく出帛紗
もうひとつの大きな違いが、小さい布のほうです。
- 裏千家:古帛紗(こぶくさ)を使います
- 表千家・武者小路千家:**出帛紗(だしぶくさ)**を使います
出帛紗は帛紗と同じくらいの大きさで、主に濃茶(こいちゃ)のときに使われます。古帛紗より大きいので、初心者セットを買うときは「表千家用」を選ばないと、中身が合いません。
ふたつの違いは古帛紗(こぶくさ)とはにまとめました。いつ・どう使うかは流派と先生で変わるので、そこは教室で習うとおりにしてください。
違い その3|扇子・懐紙は「中身」を流派で選ぶ
扇子と懐紙は、どの流派でも使う道具です。ただ、選ぶ中身が変わることがあります。
- 扇子:茶席用の小さなものを使います。男女で大きさが違うほか、流派によって寸法の目安が違うことがあります。「表千家用」として売られているものを選ぶと確実です
- 懐紙:男女で大きさが違います。白無地が基本というのは共通です
このあたりは「表千家用」と表示された初心者セットを選べば、まとめて揃います。
変わらないところ
違いを並べましたが、共通しているところのほうが多いことも覚えておいてください。
- 最初に自分で揃えるのは小さな道具だけ。大きな道具は教室のもの
- 帛紗は無地が基本
- 懐紙は白無地、男女でサイズが違う
- 迷ったら、買う前に先生に確認する
はじめての人には、流派を指定できる初心者セットが安心です。色や中身を間違える心配がなく、ひととおり揃います。お稽古を続けるうちに、帛紗ばさみの柄などを少しずつ好みのものに替えていく人も多いです。
まとめ
- 揃える道具の顔ぶれは裏千家とほぼ同じ。違うのは中身
- 帛紗の女性用は、表千家が朱、裏千家が赤。流派名を目印に選ぶ
- 表千家は古帛紗ではなく出帛紗を使う。セットは必ず表千家用を
- 扇子は流派で寸法の目安が違うことがある。表千家用を選ぶと確実
- 男性の帛紗が紫なのは流派共通。懐紙が白無地なのも共通
- 色・種類を先生が指定することもある。買う前に必ず確認を