武者小路千家(むしゃこうじせんけ)で習うことになったとき、少し困るのが情報の少なさです。茶道の本もネットの記事も、裏千家を前提に書かれているものが多く、「うちの流派はどうなのだろう」と迷う場面が出てきます。
この記事では、三千家(裏千家・表千家・武者小路千家)を並べて、武者小路千家で揃えるものを整理します。確認できたことだけを書き、曖昧なところは曖昧なまま残します。
この記事に書けるのは、一般に流派の違いとして語られる範囲までです。道具の細かい決まりや扱いは、同じ流派でも先生によって違います。買う前に、必ず通う教室の先生に「自分で用意しますか、何を選べばよいですか」と確認してください。ここに書いたことより、先生の指示が優先です。
揃えるものの顔ぶれは、三千家で共通です
まず安心してよいところから。最初に自分で用意する道具は、どの流派でもほぼ同じです。
- 帛紗(ふくさ)
- 出帛紗(だしぶくさ)※使う場面は先生に確認
- 扇子
- 懐紙(かいし)
- 菓子切り
- 帛紗ばさみ、または数寄屋袋
お茶碗や棗(なつめ)といった大きな道具は、教室のものを使うのが一般的です。これも流派を問いません。自分で買うのは片手で持てる小さなものだけ、と思っておけば大丈夫です。
三千家を並べてみる
違いが出るところを、三つ並べます。
| 裏千家 | 表千家 | 武者小路千家 | |
|---|---|---|---|
| 帛紗(女性) | 赤 | 朱 | 朱 |
| 帛紗(男性) | 紫 | 紫 | 紫 |
| 小さい布 | 古帛紗 | 出帛紗 | 出帛紗 |
| 茶筅の竹(好まれる色) | 白竹 | 煤竹(すすだけ) | 紫竹(しちく)・黒竹 |
こうして並べると、武者小路千家は表千家と重なるところが多いことが分かります。帛紗の色も、出帛紗を使う点も同じです。
違いが出るのは茶筅の竹の色です。茶筅の選び方そのものははじめての茶筅の選び方にまとめました。
帛紗は「朱」。赤と間違えないこと
いちばん買い間違えやすいのがここです。
女性の帛紗は朱色です。裏千家の「赤」とは別の色として扱われます。売り場では「武者小路千家用」または「表千家・武者小路千家用」と書かれていることが多いので、流派名の表示を目印に選んでください。
男性は紫で、これは三千家に共通です。お点前で使う帛紗が無地であることも共通です。
帛紗の色とサイズそのものは帛紗(ふくさ)の色とサイズにまとめてあります。
古帛紗ではなく、出帛紗
小さい布のほうも、表千家と同じです。
**武者小路千家で使うのは出帛紗(だしぶくさ)**で、古帛紗(こぶくさ)ではありません。出帛紗は帛紗と同じくらいの大きさがあり、主に濃茶(こいちゃ)のときに使われます。
古帛紗は裏千家で使うもので、出帛紗より小さなものです。初心者セットを買うときは中身が違うので、「武者小路千家用」または「表千家用」と書かれたものを選ばないと合いません。
ふたつの違いは古帛紗(こぶくさ)とはにまとめました。
セットが見つからないときは
武者小路千家は三千家のなかでは教室の数が少なく、「武者小路千家用」と銘打った初心者セットが見つかりにくいことがあります。
そんなときは、次のように考えると揃えられます。
- 帛紗と出帛紗は、表千家用で中身が合うことが多い(女性は朱、出帛紗入り)
- 懐紙・菓子切り・帛紗ばさみは流派を問わないので、単品で選べる
- 扇子は寸法の目安が流派で違うことがあるので、先生に確認する
つまり、表千家用のセットを土台に、足りないものを単品で足すのが現実的な方法です。ただしこれも、買う前に先生へ確認してからにしてください。
まとめ
- 揃える道具の顔ぶれは三千家で共通。大きな道具は教室のもの
- 武者小路千家は表千家と重なるところが多い
- 帛紗は女性が朱、男性が紫。裏千家の「赤」と間違えないこと
- 古帛紗ではなく出帛紗を使う。セットの中身が変わる
- 茶筅は紫竹・黒竹が好まれるとされる
- 専用セットが見つからなければ、表千家用を土台に単品で足す
- 細かい決まりは先生によって違う。買う前に必ず確認を