お稽古に着物で行ってみよう、と思う日がいつか来ます。思い立ってから当日あわてないために、前日までに済ませておくとよいことをまとめます。
この記事は着付けの手順書ではありません。着方そのものは、着付け教室や専門の本にお任せします。ここで扱うのは、茶道のお稽古に着物で行くという場面に特有の段取りです。
着物で通うのは必須ではありません。洋服で続けている人もたくさんいます。「そろそろ着物でも」と思ったときに読んでいただければ十分です。洋服の日の服装はお稽古に洋服で行く日の服装にまとめました。
前日までに、先生に確かめておくこと
着物で行くと決めたら、まず教室に確認します。
- 着物で行ってよいか:当たり前のようですが、お稽古場の都合もあります。一言伝えておくと安心です
- 着替える場所があるか:教室で着替えるのか、着て行くのか。更衣室の有無で荷物が変わります
- どんな着物がよいか:ふだんのお稽古なら、あらたまりすぎないもので構わないことが多いはずです。ただし何がふさわしいかは社中によって違います
着物の格については、お茶会や初釜のようなあらたまった席とふだんのお稽古とで考え方が変わります。あらたまった席のほうは初釜に呼ばれたときの持ち物と服装に書きました。
前日の夜に、着るものを一式そろえる
当日の朝に探し物をすると、それだけで気持ちが乱れます。前の晩に全部出しておきます。
- 着物、帯、帯揚げ、帯締め
- 長襦袢(ながじゅばん)、半衿がついているか
- 腰紐、伊達締め、帯板などの小物
- 足袋
- 肌着
足袋は一度はいてみて確かめるのをおすすめします。前に着たときからサイズが合わなくなっていることがあります。きついと正座がつらくなり、ゆるいと歩くときにしわが寄ります。
替えの足袋をもう一足持っておくと、汚れたときに困りません。
茶道ならではの持ち物
ここが、ふつうの「着物でお出かけ」と違うところです。
帛紗ばさみ(数寄屋袋)を、どこに入れるかを決めておきます。着物のときは懐(ふところ)に入れるのが本来の形ですが、慣れないうちは入れにくく、落としそうで気になります。小さなバッグに入れて持ち、席に入る前に出す形でも構いません。
そのほか、着物の日に増える持ち物です。
- 替えの足袋:会場で履き替える場合も、汚れた場合も
- 大きめの風呂敷かサブバッグ:脱いだものや荷物をまとめるのに
- 着物を持ち帰る袋:教室で着替えるなら必要です
懐紙や帛紗といったふだんの道具は変わりません。
袂と帯|お点前で気をつけるところ
着物でお稽古をすると、洋服のときにはない動きが要ります。
袂(たもと):腕を伸ばすと袂が前に出ます。道具に触れたり、お湯に入ったりしないよう、動く前に袂を押さえる癖をつけます。お点前のなかで袂をどう扱うかは、流派と先生によって教え方が違いますので、お稽古で習ったとおりにしてください。
帯:正座をしてから立つと、帯のあたりが崩れることがあります。長時間座るお稽古では、きつく締めすぎないほうが楽です。
膝まわり:正座を繰り返すと、着物の膝が出てきます。これは避けようがないので、気にしすぎないことです。
着物の日も、指輪・腕時計は外します。道具を傷つけるからという理由は洋服のときと同じです。袖口から時計が出ると、なおさら道具に当たりやすくなります。
当日の進め方
最後に、当日の流れだけ。
時間に余裕を持つ:着付けに慣れないうちは、思った倍かかります。お稽古の開始から逆算して、ふだんより30分は早く動きはじめます。
着て行くか、持って行くか:教室に更衣室があるなら、洋服で行って着替えるほうが、道中の心配がありません。着て行くなら、電車やバスでの座り方にも気をつかいます。
着崩れは直せる範囲で:お稽古の最中に少し崩れても、だいたいは直せます。気にしすぎて動きが小さくなるより、習いに来たことに集中するほうが結局うまくいきます。
一度着て行くと、次からの段取りが体で分かります。最初の一回は、余裕を持って臨んでください。
まとめ
- 着物は必須ではない。洋服で続けている人も多い
- 前日までに、着物で行ってよいか・着替える場所・どんな着物かを先生に確認
- 前の晩に一式そろえる。足袋は一度はいてサイズを確かめる
- 帛紗ばさみを懐に入れるか手に持つか、前もって決めておく
- 替えの足袋、風呂敷、着物を持ち帰る袋があると困らない
- 袂は動く前に押さえる。扱いは流派と先生で違うのでお稽古で習う
- 帯は締めすぎない。膝が出るのは避けられないので気にしすぎない
- ふだんより30分早く動きはじめる。指輪と時計は外す