抹茶を買ってみたものの、一度に使う量はほんのわずか。気づくと缶の底に残ったまま、色がくすんできた——おうちで抹茶をはじめた人が、たいてい一度は通るところです。
抹茶は、お茶の葉をそのまま粉にしたものです。粉になっているぶん空気に触れる面が広く、まわりの影響をとても受けやすくなっています。この記事では、開けたあとの扱い方を順にまとめます。
抹茶が弱いのは、光・湿気・空気・におい
抹茶の風味を落とすものは、だいたい次の4つです。
| どうなるか | |
|---|---|
| 光 | 鮮やかな緑がくすんでいきます |
| 湿気 | 粉が固まり、風味が落ちます |
| 空気(酸素) | 少しずつ酸化して、香りが弱くなります |
| におい | まわりの食品のにおいを吸います |
宇治の茶舗・丸久小山園も、抹茶は高温・湿気・におい移りに弱いと案内しています。
つまり保存のコツは単純で、光を通さない容器に、空気とにおいを入れず、涼しいところに置く。これに尽きます。
買うときから、保存ははじまっています
いちばん確実な保存方法は、早く使いきることです。
家で薄茶を一服点てるのに使う抹茶は、ごくわずかです。大きな缶を買うと、おいしいうちに飲みきれません。はじめは小さな缶を選ぶほうが、結果的に無駄になりません。
缶や袋には賞味期限が書かれていますが、これは開ける前の期限です。開けたあとは期限に関わらず、少しずつ風味が落ちていきます。「いつ開けたか」をふたにメモしておくと、目安になります。
容器|買ったままの缶でよいか
買ったときの缶や袋が、そのまま保存容器になります。 光を通さず、ふたがしっかり閉まるようにできているからです。わざわざ移し替える必要はありません。
移し替えたほうがよいのは、次のような場合です。
- 袋入りで、開けたあとにきちんと閉じられない
- 缶が大きすぎて、中の空気が多い
そのときは、光を通さない、ふたの密閉できる茶筒に移します。ガラス瓶は中が見えて楽しいのですが、光を通すので抹茶には向きません。使うなら、戸棚の奥など暗いところに置きます。
棗(なつめ)は、お点前のときに抹茶を入れる器です。ふたはかぶせてあるだけで密閉されないので、保存容器には向きません。棗に入れるのは、その日に使うぶんだけにします。
冷蔵庫でのしまい方と、出し方
開けたあとは、ふたをしっかり閉めて冷蔵庫へ。ここまでは多くの茶舗が案内しているとおりです。
気をつけたいのは、出すときです。
冷たいまま開けると、抹茶に結露します。 冷えた缶を室温に出すと、空気中の水分が缶や粉の表面につきます。湿気は抹茶がいちばん苦手とするものなので、これで一気に風味が落ちます。
冷蔵庫から出したら、缶を閉じたまましばらく置いて、室温に近づけてから開けます。夏場は少し長めに置きます。
におい移りも冷蔵庫特有の問題です。抹茶はにおいをよく吸うので、キムチや漬物、カレーなどのそばには置かないこと。心配なら、缶ごと密閉袋に入れてしまうと安心です。
冷凍庫については、案内が販売店によって分かれます。買った抹茶の缶や袋に書かれた保存方法があれば、それに従うのがいちばん確実です。
使うときは、茶こしやふるいで一度ふるってから点てると、ダマになりません。保存中に少し固まっていても、ふるえば戻ります。
それでも使いきれないときは
色がくすんできた、香りが弱くなった——そんな抹茶も、捨てることはありません。
- ラテや冷たい抹茶に:牛乳や砂糖と合わせると、多少の風味落ちは気になりません
- お菓子づくりに:クッキー、パウンドケーキ、アイスなど、火を通すお菓子なら十分使えます
- 料理に:塩と混ぜて抹茶塩にすると、天ぷらや揚げ物に使えます
抹茶の使い分けについては茶道用とラテ用の抹茶は何が違う?にまとめました。
お点前の練習用と、家で気軽に飲むぶんを分けて買っておくと、「もったいなくて開けられない」ということがなくなります。
まとめ
- 抹茶の敵は光・湿気・空気・におい。遮光して密閉し、涼しいところに置く
- いちばんの保存方法は早く使いきること。はじめは小さい缶を選ぶ
- 買ったときの缶がそのまま保存容器になる。移すなら遮光で密閉できる茶筒に
- 棗は保存容器ではない。入れるのはその日に使うぶんだけ
- 冷蔵庫から出したら、閉じたまま室温に戻してから開ける(結露を防ぐ)
- においの強い食品のそばに置かない。冷凍は缶や袋の表示に従う
- 風味が落ちてきたら、ラテ・お菓子・抹茶塩に回す