体験のときは気を張って服を選んだけれど、毎週となるとそうもいかない——お稽古が続いてくると、今度は「毎回の服」で迷いはじめます。
お稽古の服装は、おしゃれのためではなく道具とお茶を守るためにあります。理由が分かると、手持ちの服の中から選べるようになります。この記事では、素材とアクセサリーを中心にまとめます。
体験に行く前の持ち物と服装は茶道の体験レッスン、前日までに用意するものにまとめました。ここではその先、通いはじめてからの話をします。
基準は「道具を傷つけない、場を乱さない」
服を選ぶとき、頭に置いておくのはこの2つだけです。
- 道具を傷つけないか:茶碗も棗(なつめ)も、傷がつけば戻りません
- 場を乱さないか:音、におい、落ちるもの。静かな場では意外と目立ちます
おしゃれかどうかは問われません。逆に言えば、この2つさえ満たしていれば、あとは動きやすい服で構いません。
避けたい素材と、その理由
見た目では分かりにくいのが素材です。理由とセットで覚えておくと、手持ちの服を見るときに迷いません。
| 避けたいもの | 理由 |
|---|---|
| 毛足の長いニット、アンゴラ、モヘア | 毛が抜けて畳や茶碗につきます。お茶に入ってしまうことも |
| シャカシャカ音のするナイロン地 | 動くたびに音が鳴り、静かな席では響きます |
| ビーズ、スパンコール、金属の飾り | 道具や畳に当たって傷をつけます |
| サテンなど、すべりやすい生地 | 正座から立つときに膝がすべります |
| 起毛したフリース | 毛が落ちるうえ、静電気を起こしやすくなります |
冬の静電気も、意外と困ります。帛紗(ふくさ)や懐紙が手やスカートにくっついて、扱いにくくなるからです。ウールとポリエステルの組み合わせは、とくに起きやすいところです。気になる季節は、静電気防止のスプレーがあると楽になります。
袖と丈|いちばん動きに関わるところ
素材の次に見るのが、袖です。
腕を伸ばして道具を取る動きが多いので、袖が広がる服は道具に触れます。ゆったりしていても、袖口がすぼまっているものなら問題ありません。七分袖は、まくる手間がなく扱いやすい丈です。
長袖を着ていく日は、袖をまくれる素材かどうかを見ておくと安心です。
丈は、正座をしたときに膝が隠れることが基本です。ゆったりしたワイドパンツは、正座がしやすく、膝も隠れるので、お稽古着として選ぶ人が多い形です。
もうひとつ見落としがちなのが、ボタン・ファスナー・ベルトのバックルです。金属の部分が前についていると、前かがみになったときに道具に当たります。前に大きな金具のない服を選んでおくと安心です。
アクセサリーは、基本すべて外します
体験のときと同じですが、毎回のことなので、外して持ち帰る場所を決めておくと忘れません。
外すもの:
- 指輪:茶碗を両手で持つので、いちばん当たります
- 腕時計・ブレスレット:手首は道具に近い位置にあります
- ネックレス:お辞儀をすると垂れて、道具に触れます
- 大ぶりのピアス・イヤリング:外れて落ちると探すことになります
ネイルも同じ理由です。長い爪は道具に当たりますし、色が濃いと、お茶碗を持ったときに目に入ります。
眼鏡は、もちろんそのままで大丈夫です。
結婚指輪をどうするかは、教室によって考え方が違います。外すのが基本という先生もいれば、事情を汲んでくださる先生もいます。自己判断せず、一度聞いておくと気が楽になります。作法の細かいところは流派と先生によって違うので、迷ったらその教室のならわしに従ってください。
小さなポーチを一つ決めて、そこに外したものを入れる習慣にしておくと、帰りに忘れません。
香りと、髪
最後に、身につけていると気づきにくいものを2つ。
香り:香水をつけないのは体験のときと同じですが、毎週通うなら柔軟剤にも気を配ります。香りの強い柔軟剤は、思った以上に残ります。お茶やお菓子の香りを楽しむ場なので、お稽古着は無香料で洗う、と決めておくと確実です。
髪:お辞儀をしたときに落ちてこないよう、まとめておきます。顔にかかる髪を手で直す動きは、お点前の最中にはできません。髪飾りは、金属の飾りが大きいものを避けます。
まとめ
- 基準は「道具を傷つけない」「場を乱さない」の2つだけ
- 毛が落ちる素材、音が鳴る素材、飾りのついた服、すべる生地は避ける
- 冬の静電気は帛紗や懐紙の扱いを邪魔する。防止スプレーがあると楽
- 袖は広がらないもの。七分袖が扱いやすい。前に大きな金具のない服を
- 丈は膝が隠れること。ワイドパンツが通いやすい
- 指輪・時計・ネックレス・ネイルは外す。ポーチを決めておくと忘れない
- 結婚指輪の扱いは教室によって違うので、一度聞いておく
- 柔軟剤は無香料に。髪はまとめる