お稽古をはじめて最初の冬、「初釜(はつがま)に出ませんか」と声をかけられることがあります。
ふだんのお稽古とは少し違う、あらたまった席です。何を持っていけばいいのか、何を着ればいいのか。はじめての人がつまずきやすいところを、順にまとめます。
初釜とは、どんな集まり?
初釜は、その年はじめてお釜をかける席です。社中(しゃちゅう=同じ先生に習う人たち)が集まって、新しい年のお稽古はじめを祝います。
一月に行われるのがふつうですが、何日に行うかは先生と社中によって違います。上旬のこともあれば、中旬を過ぎることもあります。
内容も一様ではありません。濃茶と薄茶をいただく席もあれば、食事(点心)が出る席、お稽古の延長のような和やかな席もあります。どんな形になるかは、お誘いの案内か、先生に聞くのがいちばん確実です。
持ち物|ふだんのお稽古道具に、少し足す
基本は、ふだんお稽古に持っていくものと同じです。
- 帛紗(ふくさ)/流派によっては古帛紗・出帛紗も
- 扇子
- 懐紙(かいし)
- 菓子切り
- 帛紗ばさみ、または数寄屋袋(すきやぶくろ)
これに、あらたまった席ならではのものが加わります。
- 白い靴下、または白足袋:履き替え用に。会場に着いてから替えます
- 替えの足袋や靴下:汚れたときのために、もう一足あると安心です
- ハンカチ:白か、落ち着いた色の無地を
- 小さめのバッグ:席には大きな荷物を持ち込みません。荷物をまとめる風呂敷や、サブバッグがあると動きやすくなります
懐紙はふだんより多めに使うことがあるので、一帖(いちじょう)まるごと持っていくと安心です。詳しくは懐紙(かいし)の使い方と選び方にまとめました。
会費が必要な席もあります。いくら、いつ、どう渡すのかは社中によって違うので、必ず先生か先輩に確認してください。当日あわてないよう、前もって用意しておきます。
服装|着物でも、洋服でも
着物で行かなければいけない、と決まっているわけではありません。 洋服の人がいる社中もたくさんあります。ただ、あらたまった席なので、ふだんのお稽古着よりは少し整えます。
洋服なら、次のあたりを目安に選びます。
- 落ち着いた色の、ワンピースやスーツ
- 正座をするので、膝が隠れる丈。細身すぎないもの
- 足元は白い靴下に履き替えます
着物を着る場合、何がふさわしいかは社中の格や、その年の席の性格によって変わります。色無地や訪問着が多いと聞くこともありますが、これも決まりではありません。着物で行くつもりなら、必ず先生に「どんなものがよいでしょうか」と聞いてください。 聞くのは失礼ではなく、むしろ喜ばれます。
はじめての年は、洋服で参加して様子を見る、という選び方もあります。
当日、外していくもの・つけないもの
お道具を傷つけないため、香りで場を乱さないための約束ごとです。
- 指輪・腕時計・ブレスレット:お茶碗に当たって傷をつけます。外していきます
- 長いネックレス:お辞儀をしたときに道具に触れます
- 香水・香りの強い整髪料:お茶とお菓子の香りを楽しむ場なので、つけません
- 長いネイル、派手な色のネイル:できれば短く、落ち着いた色に
髪が長い人は、お辞儀をしても落ちてこないようにまとめておきます。髪飾りは控えめなものを。
前もって、先生に聞いておくこと
はじめて出る年は、遠慮せずに聞いてしまうのがいちばんです。次の5つを押さえておけば、当日困りません。
- 何時に、どこに集まるか(着替える場所があるか)
- 会費はいくらで、どう渡すか
- 服装はどうすればよいか(着物か洋服か)
- 持ち物で、ふだんと変わるものがあるか
- 食事が出るか、出るなら何時ごろか
お点前の順番が回ってくるのか、水屋(みずや)の手伝いをするのかも、聞いておくと心づもりができます。
なお、細かい作法は流派と先生でかなり違います。この記事に書いたことも目安です。当日は、先生と先輩の動きにならうのがいちばん確実で、それがいちばん失礼のない振る舞いになります。
まとめ
- 初釜はその年はじめてお釜をかける席。日取りも内容も社中によって違う
- 持ち物はふだんのお稽古道具+白い靴下(足袋)、替え、ハンカチ、風呂敷
- 懐紙は一帖まるごと。会費の有無は必ず事前に確認する
- 服装は着物でも洋服でもよい。着物なら何がふさわしいか先生に聞く
- 指輪・時計・香水は外していく。髪はまとめる
- 集合時間、会費、服装、持ち物、食事の5つを前もって聞いておけば困らない