お稽古を一度休むと、次に行くのが急に重くなります。
一回休んだだけなら、まだ平気です。それが二回、三回と続くと、だんだん「どんな顔で行けばいいのか」が分からなくなってきます。そのうち、休んでいること自体が気になって、連絡もしにくくなる。ここまで来ると、やめてしまう人が少なくありません。
今日はその、いちばん止まりやすいところについて書きます。
休みが続くのは、気持ちの弱さではない
まず言っておきたいのは、休みが続いてしまうのは気持ちの問題ではないということです。
お稽古は、週に一度か、月に二度か三度。間隔があいている習いごとです。間隔があいているものは、いちど流れが切れると、自分で立て直さないかぎり元に戻りません。毎日やることなら、一日飛ばしても翌日に戻れます。週に一度のものは、一回飛ばすと次が二週間後になります。
つまり、休むとその分だけ戻りにくくなる作りになっているのです。意志の強い人でも同じです。
「気がゆるんだから休んだ」ではなく、「休んだから戻りにくくなった」。順番はこちらです。ここを取り違えると、自分を責めるだけで終わってしまいます。
休む理由は、たいてい自分で選んでいない
休む理由は、人によってまったく違います。仕事が立て込む。家族の都合。体調。引っ越し。お金のこと。季節によって動けなくなることもあります。
このうち、自分で選んだと言えるものはほとんどありません。選べないことで休んでいるのに、「続けられなかった」と自分の性格の話にしてしまうのは、少し不公平だと思います。
足のことで休みがちになる人も多いです。正座のつらさについては正座がつらいときにできることに、工夫と先生への相談の仕方をまとめました。体のことは、がんばりで解決する話ではないので、早めに相談してしまったほうが楽になります。
戻るときは、連絡をいちばん小さくする
休みが長くなってから戻るとき、いちばん重いのは最初の連絡です。ここを軽くする工夫を書いておきます。
理由を長く説明しないこと。 休んだ事情を細かく書こうとすると、文章が長くなって、送るまでに何日もかかります。「しばらくお休みしてしまいました。また伺いたいのですが、次はいつ行けますか」くらいで十分です。先生は、休んだ理由より、また来るのかどうかを知りたいはずです。
日付を自分から出すこと。 「落ち着いたら連絡します」にすると、落ち着く日は来ません。候補の日を一つか二つ書いて送ると、そこで決まります。
久しぶりだと先に言ってしまうこと。 「ずいぶん間があいてしまって、だいぶ忘れています」と最初に言っておくと、その日のお稽古が初歩からになります。黙って行って、覚えているふりをするほうがずっとしんどいです。
なお、休みが長いときの扱い(振替があるか、休会という形があるか、その間の月謝はどうなるか)は、教室によってまったく違います。先生によっても考え方が違うところです。遠慮して聞かずにいるより、一度確かめておいたほうが、次に休むときの気が楽になります。見学の段階で確認しておきたいことは教室見学で見ておきたいことに書きました。
連絡しないまま時間が過ぎるのが、いちばんもったいないパターンです。やめると決めた場合でも、一言入れておくと、気持ちの区切りがつきます。再開したくなったときにも戻りやすくなります。
休んでいるあいだも、お茶はやめていない
お稽古に行けない時期と、お茶から離れている時期は、同じではありません。
家で薄茶を一服点てるだけでも、手は少し覚えています。お茶碗と茶筅(ちゃせん)があれば足ります。点て方は薄茶の点て方にまとめました。道具の名前を忘れそうなら、季節の話を読んでおくのもいいと思います。炉と風炉のように、季節で変わることは、休んでいる間も外で進んでいます。
お稽古ノートをつけていた人は、休みのあいだに読み返しておくと、戻った日の負担がかなり減ります。つけていなかった人は、戻る日から始めてもいいです。
まとめ
- 休みが続くのは気持ちの弱さではなく、間隔のあいた習いごとの作りによるもの
- 休む理由は、たいてい自分で選んだものではない
- 戻るときの連絡は短くする。理由を長く書かず、候補の日付を自分から出す
- 「だいぶ忘れています」と先に言ってしまうほうが、その日が楽になる
- 休会や振替の扱いは教室と先生でまったく違うので、一度確かめておく
- お稽古を休んでいても、家で一服点てるだけでお茶から離れずにいられる